人工呼吸器Q&A

Q&A一覧
Q1人工呼吸器は自費購入するとなると、とても高額で購入できないのですが、保険は適応になるのでしょうか?
Q2ベンチレーターを使用して在宅生活を始めて間もないのですが、トラブル時の対処方法がよく分からず、とても不安です。どの様なトラブルが考えられるのか、また、その時の対処方法を教えて下さい。
Q3ベンチレーターを使用して間もないのですが、主治医よりウィーニング(呼吸器離脱訓練)を強く勧められます。この訓練はとても苦しく、自分の体にとって本当に良いことなのか疑問に思っています。ウィーニングは必要なのでしょうか?
Q4 吸引ケアを介助者に依頼していますが、痰が充分に取れません。充分に取れる方法があれば教えて下さい。
Q5 気管切開をし、ベンチレーターを使用しても発声が可能であると聞いたことがありますが、どのような方法で発声することが出来るようになるのでしょうか?
Q6 無呼吸症候群と診断され、夜間はベンチレーターを使用したほうが良いと医者に勧められています。どのような種類のベンチレーターがあるのでしょうか?
Q7 人工呼吸器をつけても外出は可能ですか?
Q8 外出時の吸引はどのように行っていますか。
Q9 私はカニューレ交換が月に1回、吸引(サクション)はタンが器官につまったらそのつど必要です。看護資格のない一般の介助者がやっても大丈夫でしょうか?
Q10 呼吸器でよく陽圧式・陰圧式と聞くのですが、どういう違いがあるのでしょうか?また、それぞれの仕組みはどのようになっているのでしょうか?
Q11 ベンチレーター使用者に対する電気料金の助成があると聞いたのですがそれはどのような制度でしょうか?またどのような手続きが必要でしょうか?
Q12 ベンチレーターを使うことになったのですが、どうやってレンタルしたらいいのですか?また、どのような仕組みになっているのでしょうか。
Q13 筋ジストロフィーの障害で、医者から「気管切開すると一生声がでなくなるので覚悟しておいてほしい」と言われました。テレビなどで声を出している人も見たことがあります。医者が言っていることはほんとうなのでしょうか。
Q14 私の友達が気切していて声が出ません。どうやってコミュニケーションとればいいのですか?
Q15 停電になったらどう対処すればよいのですか?
Q16 筋ジストロフィーの障害で最近呼吸が苦しく、ドクターに相談したら酸素吸入を勧められましたが一向に良くなりません。どうしたらよいですか?
Q17 ベンチレーターを使用していますが、加温加湿器を使って加湿しているために気道内圧モニターのチューブに水が溜まって、アラームが鳴ってしまいます。どのようにすれば、水をうまく取り除くことができるのでしょうか。
Q18 ベンチレーターを付けて1年になりますが、最近、頭痛や息苦しさがあります。どうすればいいでしょう?
Q19 旅行時、ベンチレーターに何かトラブルが起きた場合、どうすれば良いですか?
Q20 ベンチレーターを24時間使うことになりました。ドクターからはマスク式での使用を勧められています。気管切開とマスク式どちらがよいでしょうか?
Q21 気管カニューレにはさまざまな種類があると聞きましたが、どれにすればよいのでしょうか?
Q22 ベンチレーターを誤って破損させた場合は、全額自己負担になりますか?
Q23 人工呼吸器「コンパニオン2801」という機種が製造中止になると聞きましたが本当でしょうか?製造中止になっていたとしたら、後継のモデルや、コンパニオンに似た機種はあるのでしょうか?
Q24 ベンチレーターの蛇腹管を長くつけているのですが、引っ張られるような感じがして不便です。何かいい方法はありませんか?
Q1 人工呼吸器は自費購入するとなると、とても高額で購入できないのですが、保険は適応になるのでしょうか?
医療保険は適応になります。オーバーホール代、保守点検費用も健康保険医科診療報酬によって賄われ、付属品の殆ど(蛇腹管・ウオータートラップ・エアフィルター・加温加湿器のパーツ等)が自己負担無しで供給されます。また、各ディーラーや病院により多少対応が異なりますが、気管カニューレ・吸引チューブ・消毒液などの消耗品も、その他の診療報酬によって自己負担無しで供給されます。 在宅人工呼吸に関わる経費を補助する事業として北海道には『北海道在宅難病患者等酸素濃縮器(人工呼吸器)使用助成事業があります。

●利用対象
・酸素濃縮器や人工呼吸器を使用し道内に在住する人

●助成額
・1日12時間未満の人工呼吸器使用者は、1ヶ月1,000円
・1日12時間以上の人工呼吸器使用者は、1ヶ月2,000円
Q2 ベンチレーターを使用して在宅生活を始めて間もないのですが、トラブル時の対処方法がよく分からず、とても不安です。どの様なトラブルが考えられるのか、また、その時の対処方法を教えて下さい。
アラームが鳴りやまない、空気の送られ方がヘンだ、といった異常がみられた場合、様々なモードや回路周辺をチェックしてみます。それでも異常が解消されない場合には、回路を全て交換してみます。案外、蛇腹に水が溜まっていたり、呼気弁バルブに水が溜まっていたりするものです。それでも異常が続く場合には、医療機関やディーラーに連絡して相談してみる必要があります。

●呼気バルブのチューブに水滴が溜まっている
・この場合、ベンチレーターの気道内圧下限上限の設定値によっては、アラームが鳴らない場合があります。この状態だと、吸気のされ方が重くなったり、呼吸回数が少なくなったり、急に気道内圧下限上限のアラームが鳴ったりします。このような場合は呼気バルブを振り回して遠心力で水滴を飛ばすか、吸引器で吸い取ります。水滴が除去されれば、元どおりの吸気になるはずです。

●蛇腹管に水が溜まっていることがあります
・ウォータートラップをつけていても、最も低い位置についていなかったり、蛇腹管にたるみが出来ている時には、その部分に水が溜まります。ウオータートラップが 無い場合はなおさら注意しなければならず、呼気弁のところまで水が押されてしまうと故障の原因になります。溜まった水を排除するときには、気管へ流れないように、気管から近い部分のパーツから取り外していきましょう。
Q3 ベンチレーターを使用して間もないのですが、主治医よりウィーニング(呼吸器離脱訓練)を強く勧められます。この訓練はとても苦しく、自分の体にとって本当に良いことなのか疑問に思っています。ウィーニングは必要なのでしょうか?
ウィーニングに関しては様々な意見があるようですが、結論から話すとウィーニングするしないは当事者が決める事です。拒否する権利もありますし、ウィーニングに向けた呼吸リハビリを受ける権利もあるのです。

ウィーニング出来ることが必ずしも自立ではありません。肩や体全体で呼吸をしていたり、不眠を伴う身体状況になりやすいからです。体力もずいぶんと消耗しています。ベンチレーターからの離脱をを目標とするよりも、ベンチレーターを使いこなして自己管理レベルを上げていくことを自立といいます。
Q4 吸引ケアを介助者に依頼していますが、痰が充分に取れません。充分に取れる方法があれば教えて下さい。
吸引をする前にタッピングとバイブレーション(気管や肺に付着している痰をとり気管上部へと移動させる効果がある)を20分〜30分かけ行い、吸引をするのが良いと思います。吸引はチューブの先をうまく回転させるのがコツで、吸引チューブの大きさはカニューレの内径の半分以下のものが良いです。留意点としては吸引をする際、ベンチレーターを外すことで吸気が出来ないばかりか、肺の中にある空気を吸い取ってしまい、本人にはとても苦しいものですので、短時間で痰を除去し、素早く吸引し、チューブを気管から抜き取らなければなりません。
Q5 気管切開をし、ベンチレーターを使用しても発声が可能であると聞いたことがありますが、どのような方法で発声することが出来るようになるのでしょうか?
気管切開をすると一時的に発声が難しくなりますが、カフなしカニューレやスピーチカニューレ、スピーキングバルブを使用することでほとんどの人が発声可能になります。

気管切開をして初期の頃は、空気漏れ(リーク)や気管内への異物混入を防ぐため、カフつきカニューレを使用する場合が多くあります。これを使用すると、気道を完全に防いでしまう(声帯を震わせることが出来ない)ので発声が出来なくなります。

●カフなしカニューレ
・発声が可能となり、カフ付きに比べ、気管への圧迫感が少なく、カニューレ交換が比較的簡単。(出血の可能性・痛みが少ない。)デメリットとして、誤飲・リークを防ぐ事が出来ない(あらかじめリークを想定して1回換気量を増やしておくことである程度解決できます。)ことなどが挙げられます。

●スピーチカニューレ
・カフをつけたままカニュ〜レ上部に小さな穴があいており、その穴を通して、声帯に空気が通るようになり、発声が可能になります。

●スピーキングバルブ
・吸気だけを通す一方向フィルターがついており、それによって発声が可能となる仕組みです。フィルターがあることにより空気抵抗ができるために、吸気が物足りなくなることがありますので、使用時には換気量を上げるなどの工夫が必要です。
Q6 無呼吸症候群と診断され、夜間はベンチレーターを使用したほうが良いと医者に勧められています。どのような種類のベンチレーターがあるのでしょうか?
夜間無呼吸症候群では、主にCPAPというベンチレーターを使います。CPAPとは、持続性従圧式陽圧人工呼吸器のことで、持続的に一定の陽圧を肺に与えることで気道を開かせ、自発呼吸を補助するためのベンチレーターです。
Q7 人工呼吸器をつけても外出は可能ですか?
外出は可能です。外出し、社会参加するためにこそ人工呼吸器はあるといっても過言ではありません。

●外出に必要な準備として
・座位のとれる方は車椅子後部にベンチレーターを搭載する台を、座位がとれなくてリクライニングやストレッチャー式の車椅子の方は、ベッドの下部にベンチレーターを搭載します。オーダーメイドの車椅子を作ることも可能です。

・外出には外部バッテリーが必要です。多くの在宅用ベンチレーターの直流電源は12Vです。ウエットバッテリーより、ドライバッテリーかシールドバッテリーのほうが長持ちし、充電液を使用する手間がかからないため、使いやすいでしょう。(但し、12V40Aでのドライバッテリーは約5万円。)バックアップのため2台あると安心です。また、外部バッテリー用の充電器(自動車用のもので充分)、電源確保のための電源延長コードも必需品です。.

・蛇腹管はマジックテープで固定するのが良いでしょう。蛇腹管が車椅子からでっぱていると、突起物に引っかかって管を破いたり、また、気管カニューレが抜ける要因にもなりますので、注意が必要になります。

・ベンチレーターや周辺付属品の故障に備え、手動式人工呼吸バッグは必ず携帯するようにしましょう。

・アラームが鳴りやまない、空気の送られ方がヘンだ、といった異常がみられた場合、様々なモードや回路周辺をチェックしてみます。それでも異常が解消されない場合には、回路を全て交換してみます。案外、蛇腹に水が溜まっていたり、呼気弁バルブに水が溜まっていたりするものです。

・それでも異常が続く場合には、医療機関やディーラーに連絡して相談してみる必要があります。
Q8 外出時の吸引はどのように行っていますか。
外出時に使用するのに便利な物としてミニック(新鋭工業)という吸引器があります。これは3WAY電源(家庭用交流電源・内臓バッテリー・車のシガレット電源)です。手動式(足踏み)吸引器としてはアンブ社のツインポンプがあります。航空機内でも使用でき、携帯用に 非常用に便利です。
Q9 私はカニューレ交換が月に1回、吸引(サクション)はタンが器官につまったらそのつど必要です。看護資格のない一般の介助者がやっても大丈夫でしょうか?
医師の指導のもと必要な研修を受ければ、看護資格のない介助者でも充分に可能です。実際に多くのベンチレーター使用者がそうやって自立生活を行っていますし、ベンチレーターをつけた子どもの親も資格はもっていませんがカニューレ交換や吸引を行っています。

もちろん気管切開をしたばかりのころは、まだまだ傷口も安定せず出血もあるので、専門のドクターや看護士がやるべきですが、傷口も体調も安定してきて、在宅生活が可能だということになれば、一定の研修を受ければ介助者でもできるようになります。

万が一カニューレが何かの拍子で抜けてしまった時、ドクターや看護士がすぐ駆けつけてくれるわけではありませんし、吸引は即座にしまければ窒息して死んでしまいます。すぐそばにいる介助者や家族が行えるようにすることで、自分自身の生命を守ることができますし、快適な生活が送れるようになります。

●気管カニューレ
気管切開をしたところに入れるチューブのことです。カニューレとはドイツ語で「菅」を意味します。この気管カニューレを通してベンチレーターから空気が送り込まれます。 気管の大きさに応じて太さの違うカニューレを使用します。カフ(チューブの回りにまとわりついて風船のように膨らませることのできる弁)付きのものとカフなしのものがあり、カフ付きは誤嚥やリーク(空気漏れ)を防ぐためにあります。

カフ付きカニューレでは発声することはできませんが、同じカフ付きカニューレでも、カニューレの上部に穴を開けて発声を可能にする「カフ付きスピーチカニューレ」というものもあります。カフなしカニューレだと気管切開をしても数ヶ月で発声が可能になります
Q10 呼吸器でよく陽圧式・陰圧式と聞くのですが、どういう違いがあるのでしょうか?また、それぞれの仕組みはどのようになっているのでしょうか?
ベンチレーターには陽圧式・陰圧式があります。

人間の呼吸は陰圧によって行われます。陰圧というのは物に対して、マイナスの圧力がかかることです。呼吸でいえば、肺に対してマイナスの圧力がかかることです横隔膜や呼吸筋を下げることによって、胸腔内の圧力が下がります。これにより肺にマイナスの圧力がかかります。そうすることで、肺が膨らみ空気が入ります。

この仕組みはビンを使って例えることができます。ビンの下地はゴムでフタをしてあります。下のゴムを引っ張るとビンの中の圧力が下がって、ビンの中にマイナスの圧力がかかります。そしてその結果、ただ一つの入り口であるビンの口から、圧力を取り戻そうとして空気が取り入れられます。このビンを胸腔と見立ててください。肺は胸腔の中にあるので同じ状況を作るためビンの中に風船を入れます。この風船を肺とします。風船の口は外に出ていて、それ以外は密閉されています。さっきと同じようにゴムを引っ張ると、ビンの中にマイナスの圧力がかかります。圧力を戻そうと空気を取り込もうとします。空気の入り口は風船の口だけなので、そこから空気が入りますそれにより風船が膨らみます。これが陰圧による呼吸と同じ仕組みです。そしてこの風船の口が、人間でいう鼻や口になるわけです。胸腔にマイナスの圧力がかかり外につながっている鼻や口から空気が入り、肺が膨らむということです。

逆に陽圧というのは物に対して、プラスの圧力をかけることです。呼吸でいえば肺に対してプラスの圧力をかけることをいいます。空気を直接肺の中に送り込むことによって、プラスの圧力がかかります。その結果、肺が膨らみます。これが陽圧による呼吸の仕組みです。今使われているベンチレーターはほとんど陽圧式です。空気を直接送り込む仕組みです。陰圧式(鉄の肺)のベンチレーターもありますが、あまり使われていません。
Q11 ベンチレーター使用者に対する電気料金の助成があると聞いたのですがそれはどのような制度でしょうか?またどのような手続きが必要でしょうか?
道内に居住し、在宅でベンチレーターや酸素濃縮器を使用している方々を対象に電気料金の一部を助成する在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成事業という制度があります。この制度は平成10年に始まり、在宅で生活する人の負担を少しでも軽減しようという考えで行っているそうです。助成内容については、1日当たりの酸素濃縮器使用時間が12時間未満の場合1月当たり1,000円、12時間以上の場合は2,000円の助成額が支給されます。事前に認定を受け、申請の翌日から12月31日までの分を1〜2月に請求し、まとめて支給されます。事前に認定を受け、手続きに必要な書類は各保健所にあり認定に必要な書類と申請に必要な書類とがあります。

●認定に必要な書類
在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成認定申請書(申請書には医師の証明欄がありますので、主治医の先生に証明していただく必要があります。)
住民票(*新規申請の方のみ)
※届出は使用者本人が行けない場合、介助者でも可能です。また郵送でも可能です。

●申請に必要な書類
在宅難病患者酸素濃縮器使用助成金請求書(請求書には医師の証明欄がありますが、併せて継続申請する場合は、省略できます。)
※助成金を受給するために使用者本人の口座が必要です。

●詳しくは
北海道庁 保険予防課 特定疾患事業係 在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成事業の担当者まで(011-231-4111)
北海道以外に仙台市も同様の助成事業を行っています。他の自治体でも行っているところがあるそうなので、あなたの住んでいる自治体にも聞いてみてはいかがでしょうか?
Q12 ベンチレーターを使うことになったのですが、どうやってレンタルしたらいいのですか?また、どのような仕組みになっているのでしょうか。
個人では直接ディーラー(業者)と契約できないので、病院とディーラーの間で契約してもらいます。そして、病院が業者からベンチレーターをレンタルし、それを個人に在宅医療機器として貸し出します。業者によっては直接個人宅に来てくれ、メンテナンスしてくます。ほとんどの業者は24時間対応なので安心です。
Q13 筋ジストロフィーの障害で、医者から「気管切開すると一生声がでなくなるので覚悟しておいてほしい」と言われました。テレビなどで声を出している人も見たことがあります。医者が言っていることはほんとうなのでしょうか。
これはまったくの誤りです。

気管切開すると一時的に声を出すことは難しくなりますが、カフなしカニューレやスピーチカニューレ、スピーキングバルブを使うことでほとんどの人が声を出すことが出来るようになります。声をだせるようになるまでのコツをつかめるようになるのは人によって違いますが、早い人で数ヶ月ほどで声が出せるようになります。。ただし、ALSなどの障害で、口や舌を動かすことができなかったり、発声に必要なノドの筋肉そのものを動かせないほどに障害が進行すると、発声は困難になります。

気管切開して初期のころは、空気漏れ(リーク)や期間内への異物混入を防ぐために、カフ付きカニューレだと、気道を完全に防いでしまう(声帯を震わせることができない)ので、発声できなくなります。

スピーチカニューレはカフをつけたままカニューレの上部に小さな穴が空いており、その穴を通して、声帯に空気が通るようになり発生が可能になります。一方、スピーキングバルブは、吸気だけを通す一方向バルブがついており、それによって発声が可能になるしくみです。バルブがあることにより空気抵抗ができるために、吸気がものたりなくなることがありますので、使用時には換気量をあげるなどの工夫が必要です。
Q14 私の友達が気切していて声が出ません。どうやってコミュニケーションとればいいのですか?
発声は肺に送り込まれた空気を口からはくとき声帯を震わせることによって行われます。気切してベンチレーターを付けたからといって、声が出なくなるわけではありません。カフなしカニューレ、スピーチカニューレ、スピーキングバルブなど使って空気が声帯を通るようにすれば発声は可能です。

声帯や口を動かす筋肉が弱く発声できない場合でも、こんなコミュニケーションのとり方ががあります。口パクといって口の動きを読んでもらうものがあります。これは道具がなにもいらないので、どこでもできますが、人によって話し方に癖があるので慣れるまで大変です。また、文字盤、透明文字盤があります。50音が書かれていて、文字盤越しにお互いの目線を合わせて目線が重なった文字を当てていくものです。裏から見ると鏡文字になるので、どっちが裏を見るか決めておくといいでしょう。トーキングエイドといって、コンピューターによる人工発生装置があります。キーボードを打って、文章を作るというものです。その他に介助者が文字を読み上げ、意図したところで合図するというものもあります。

それぞれに合ったコミュニケーションの取りかたを見つけるのが大事なことだと思います
Q15 停電になったらどう対処すればよいのですか?
短い時間の停電であればベンチレーターの内臓バッテリーで対処できます。なお機種によって内臓バッテリーの持続時間が異なります。

<各バッテリーの持続時間>
アチーバPS 4時間
PLV−100 1時間
LTV−950 1時間
コンパニオン2801 1時間

地震などの災害で長時間にわたる停電に対処する方法としてはガソリン混合油で発電する発電機があります。価格は5万円ほどします。
Q16 筋ジストロフィーの障害で最近呼吸が苦しく、ドクターに相談したら酸素吸入を勧められましたが一向に良くなりません。どうしたらよいですか?
筋ジストロフィーの場合、呼吸をするための筋肉が弱くなり、呼吸がきちんとされず二酸化炭素を吐き出すことができないため、血中に溜まって頭痛や吐き気、息苦しさが現れます。ですから、いくら酸素を吸入しても二酸化炭素を吐き出せない以上は、頭痛や吐き気、息苦しさが改善されません。

ベンチレーターを使用して呼吸を正常に行い、二酸化炭素を吐き出すことで改善することができます。ドクターの中には、筋ジストロフィーの場合も酸素吸入が有効であると誤解している方もいます。

正しい情報を持っているドクターに相談して、早急にベンチレーターを導入することをお勧めします。
Q17 ベンチレーターを使用していますが、加温加湿器を使って加湿しているために気道内圧モニターのチューブに水が溜まって、アラームが鳴ってしまいます。どのようにすれば、水をうまく取り除くことができるのでしょうか。
このようなときには、気道内圧モニターのチューブをいったんはずして、水の溜まったチューブをちょうど投げ縄をするような要領で、円を宙に描くように振り回します。これを向きを変えたりしながら、何度か繰り返すことで遠心力によって、溜まった水を簡単に取り除くことができます。 

気道内圧モニターのチューブに水が溜まると、高圧アラームの誤作動が起こるなど気道内圧モニターに支障をきたすことになりますので、すみやかに水を取り除かなければなりません。
Q18 ベンチレーターを付けて1年になりますが、最近、頭痛や息苦しさがあります。どうすればいいでしょう?
1回換気量、呼吸回数の設定が体に合わなくなってきている可能性があります。呼吸機能の変化によって同じ設定では換気が不十分になることがあります。また、ドクターの多くは体重10kg×10mlで1回換気量を算出します。この計算では体重50kgでも500mlにしかなりません。カフなしカニューレで会話をする人の場合は、口から空気が漏れるため体重にかかわらず700ml以上は必要かもしれません。
血中の二酸化炭素濃度が高くなっていることもあるので、主治医に相談して自分の身体に合った設定にしてもらいましょう。
Q19 旅行時、ベンチレーターに何かトラブルが起きた場合、どうすれば良いですか?
ベンチレーターのディーラーでは、旅行時のサポートをしています。旅行の日程が決まった段階で、ディーラーに日時、宿泊場所を伝えます。例えば大阪に旅行に行く場合、大阪の営業所に自分が使っているベンチレーターの予備が用意されます。そしてベンチレーターにトラブルがあった場合は、すぐに対応できる体制がつくられます。
Q20 ベンチレーターを24時間使うことになりました。ドクターからはマスク式での使用を勧められています。気管切開とマスク式どちらがよいでしょうか?
マスク式、気管切開ともにメリットとデメリットがあります。マスク式は手術をしなくてもすぐに使用できるというメリットがあります。夜間のみの呼吸補助に適しています。その反面、鼻や口にマスクを付けなければならず、皮膚が傷つくこともあります。またマスクを外さないと会話しづらく飲食が困難です。
気管切開は喉の気管にチューブを入れベンチレーターを使用するため会話や飲食のさまたげにならず、皮膚が傷つくことがないというメリットがあります。長時間の使用に適しています。その反面、手術が必要で日常的に痰の吸引も必要になるというデメリットがあります。
どの方法にするかは1日にどのくらいベンチレーターを使用するかによって決まると思います。夜間のみなどの使用の場合はマスク式、1日24時間使用する場合は気管切開が望ましいと思います。もちろん最終的に決めるのは使用者自身です。正しい情報を得ることが大切だと思います。
Q21 気管カニューレにはさまざまな種類があると聞きましたが、どれにすればよいのでしょうか?
気管カニューレにはさまざまな種類があります。カフ(膨らませて誤飲や空気の漏れを防ぐ代わりに声が出せなくなる風船状のもの)が付いているカニューレと付いていないカニューレ。カフを膨らませても声が出せるスピーチカニューレ。外側と内側の二重構造で、内側を交換するだけでよく、カニューレ交換の負担が少ない二重管カニューレとさまざまです。
カニューレによって長さや大きさ、材質も異なります。自分の状態に合わせて選ぶ必要があります。その際は、使ってみることが大切です。使ってみることで自分に合っているのかどうかが分かります。
Q22 ベンチレーターを誤って破損させた場合は、全額自己負担になりますか?
レンタルしているベンチレーター本体には、各業者で保険をかけています。保険料はすべて業者の負担になります。誤って落とすなどして破損させた場合は保険が適用され自己負担はないそうです。ただし、故意に誤った使用方法で使用して破損させた場合は、自己負担が発生するそうです。
Q23 人工呼吸器「コンパニオン2801」という機種が製造中止になると聞きましたが本当でしょうか?製造中止になっていたとしたら、後継のモデルや、コンパニオンに似た機種はあるのでしょうか?
「コンパニオン2801」の製造については2001年に終了しています。オーバーホールやパーツの修理に関する保守サービスについては2006年1月まで行っているようです。尚、マリンクロット社の「アチーバPS」という機種がコンパニオンの後継モデルです。詳細についてはこちらのホームページをご覧下さい。
●タイコヘルスケアジャパン株式会社 http://www.tycohealthcare.co.jp
Q24 ベンチレーターの蛇腹管を長くつけているのですが、引っ張られるような感じがして不便です。何かいい方法はありませんか?
蛇腹管が引っ張られる感じがあるということですが、使用するものによっては極端に長い物もあれば短い物もあります。その場合、人によって紐やマジックテープ付のバンドなどで固定をして工夫されているようです。